人事制度はいらない?あるべき姿・あり方とは?構築する前に土台を整えましょう
こんにちは、ファーストステップ株式会社、コンサルタントです。
先日、「社員研修はするべきか?」「経営理念は必要か?」といったテーマで記事を書いてきました。
今回は「人事制度」について言及していきます。
今まで記事を読んでいただいた方には、付け焼刃的に“とりあえず”で研修を実施したり、理念を作ってもあまり意味がないことがお分かりいただけたかと思います。人事制度についても同様に掘り下げていきます。
こんな方のお役に立つ記事になっています。
- 人事制度をこれから作ろう、整えようとしている方
- 中小企業にも人事制度が必要なのか?と疑問に思っている方
- 人事制度の「あるべき姿」が知りたいという方
- 人事制度を作ることで、何が変わるの?という思いがある方
- 正しい”人事制度の作り方”が知りたい…という方
それでは、さっそく見ていきましょう。
人事制度とは?
そもそも人事制度とは…
会社の経営資源である「人」「モノ」「カネ」の中の、「人」をどのように活用していくかを定めた制度のことを言います。
人事制度の中身を細かく見ていくと、給料を定めた賃金制度や評価制度・人材開発制度などがあります。
人事制度は本当に必要なのか?
中小企業であれば、昇給や昇格に特に明確なルールは設けていないーという企業も多いのではないでしょうか?
社長から見て頑張っている社員には日々報いているので、わざわざ改まって制度を作る必要はないのではないか…と思う方もいるかもしれません。
結論から先に言うと、人事制度はいきなり作るものではありません。
もちろん、ルールを明確化した方が公平性が保たれるといったメリットはあります。
しかし、社長の一存で人事制度を設けるのではあまり意味がありません。
「勤続〇年たったら〇円支給」とか、「売上が良かったら臨時ボーナスを出す」といった社員にとって喜ばしい提案であっても、その人事制度を採用するための土台がきちんとなければ、あまり意味をなさないのです。
一度決めたルールは、継続性がなければいけない
人事制度を定めた場合、その条件が継続されなければ意味がありません。
いつまでに何を行ったら、こんな評価が得られる…というルールを信じて頑張った社員を、「やっぱりやめた」と裏切るような行為はあってはなりません。
最悪は制度を継続できないことにより、社員の不満が爆発したり、争いが起こることです。
ですから、人事制度を作るためには、きちんと制度を継続できるだけのしっかりとした【土台】を作ることが求められます。
人事制度を機能させるための”土台”とは?
人事制度そのものは、結局は”上物”です。
なので、しっかりとした土台がないまま人事制度を作っても、ガタついてしまい長続きしません。払い続ける原資の無いボーナスを約束して、続かなかったり。昇格の約束をしていたのに、ポストが空かないからとその約束を反故にするようなことがあれば、社員の信頼を失ってしまいます。
継続できる人事制度にするためには、採算を見える化することが大切です。
そして、「誰が、どんな仕事をして、どれだけの儲けが出たか」を明らかにして、それを給料や人事評価といった人事制度と紐づけることが必要なのです。
採算を人事制度に紐づける方法
採算を人事制度に紐づけするには、まず最初に採算を把握しなければいけません。
あなたの会社は売上の管理が受注伝票ベースになっていたり、事業別、商品別、店舗別の原価計算がなされていなかったり。諸経費が部署ごとに案分されていなかったりしませんか?
「A店の販売員が1時間あたり1人いくら以上売れば採算が取れる」といった具体的な数字が分かれば、ひとりひとりの目標値が分かります。そうすることで、達成度合いが測れるようになります。
管理会計を導入すると、各店舗ごとに1日・1週間・1ヶ月という期間でどれだけ利益を出す必要があるかが出せます。
売上ベースでしか把握できていないという方は、利益、つまり個別の採算を把握することから始めることをお勧めします。
人事制度のあるべき姿とは?
正当な人事制度とは、会社の採算に対する貢献度合いに基づいたものである必要があります。
意味のない仕事をしている人に、お給料を払う余裕なんてありませんよね?
会社として最も喜ばしいことは、利益を出すことです。
ですから、無駄な経費をかけず、時間当たり収益を最大限まで追求することができた人を評価すべきというのは、非常に理にかなっているのです。
人事制度を絵にかいた餅にしないために
人事制度を作る前段階として、繰り返しになりますが、まずは採算を把握することが必要です。
人事制度の土台づくりには、管理会計の導入がオススメです。
売上はあるのに、現金がない。それは、きちんと利益が出ていないからです。
では、どの部門が不採算になっているのでしょうか?社員の中に、儲けが出ない仕事に注力している人はいませんか?
社員が一生懸命働くようになるためには、働きに見合った対価を払うことが必要です。そして、対価を払うためには、儲けが必要です。
採算を知らないまま経営を続けるのは、会社にとっても、社長にとっても、社員にとっても悪いことだらけ。誰も幸せになりません。
まずは土台づくりを頑張っていきましょう。