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3つの離職理由と離職に歯止めをかける防止策。3つのユニークな方法を紹介

社員が離職する事情は様々ですが、各社における社員の離職理由を分析すると、大きく分けて以下の3つの理由が考えられます。

  • 給料が上がらない(低い)
  • ブラック企業である
  • やりがいを感じられない

それぞれの理由について、経営者の目線から見れば、社員に言いたいことはたくさんあるはずです。

しかし、基本的に一から会社を立ち上げている・または会社を引き継いだ経営者の覚悟と、そこで働いている社員の意識が一致することの方が珍しいわけですから、ここは雇用主である経営者側が問題解決に乗り出す必要があるでしょう。

この記事では、自社の離職に歯止めをかけるための防止策について、一風変わったユニークな方法を3つご紹介します。

以下にお伝えする方法は、コンサルティングの視点を踏まえた解決策のため、経営コンサルタントを味方につけた上で実践することをおすすめします。

離職理由1:給料が上がらない(低い)

社員の生活に直結する離職理由としては、何年働いても給料が上がらないことがあげられます。給料がずっと上がらないと、社員は実務経験を積んでも十分に評価されないと感じてしまうため、近いうちに転職を考えることが予想されます。

社員の多くは「給料が上がらない」と感じている

月々の給与に関する各種アンケートの結果をチェックする限り、社員の多くは自社の給与に不満を感じていることが見て取れます。

ITツール比較サイト・STRATEによる「現状の給与への満足度に関するアンケート」によると、正社員の約84%が現在の給与に不満だと回答しています。

※参考URL
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000077217.html

また、具体的に「今よりいくら給料を上げて欲しいのか」という質問に対しては、3~10万円という回答が多数を占めています。

企業規模にもよりますが、自分がもらっている給与への満足度が低い社員は、自社にも7割以上存在しているものと考えた方が賢明なのかもしれません。

多くの経営者が社員の不満に応えられない理由

賢明な経営者の多くは、社員が自分の給与に満足していない状況を想定するものですし、それを知っていて「あえて」給与体系を変革しない場合もあります。

これは、社員のことをまったく考えていないからではなく、企業経営において給与を上げることがリスキーな一面があるからです。

経営者が社員の給与を頻繁に上げ下げできないのは、労働契約法上、一度上げた給与の減額をするのが難しいことが一因です。

企業と従業員の合意がない状況で、自社の都合で一方的に給与を減額することは違法ですから、経営者はどうしても昇給に及び腰になります。

そもそも、就業規則で昇給に関するルールが明示されている以上、社員の勤怠に問題がなければ、少額ながらも給与は上がっているはずです。

それでも社員が「いつまでたっても給与が上がらない」と感じるとしたら、それは自分が想定しているよりも給与の増額分が少ないためです。

そのような中で、社員の意向を第一に給与を上げ続けていたら、売上が大幅に落ち込んだ年度に大打撃を受けるリスクがあります。

バブル崩壊後、大きな改善が見られない日本の景気に対応するためには、極力固定費は減らしておきたいというのが、多くの経営者の本音と推察されます。

双方が納得するための解決策

「給料が上がらない問題」に経営者が真っ向から向き合うためには、曖昧な経営方針を見直し、すべての項目で軸を決めることがスタートラインになるでしょう。具体的には、部門別採算制を導入しつつ、人事考課の内容を公表することが解決策につながります。

人事考課の内容が公開されることで、なぜ社員の給与が上がらないのか、自社として社員に求めるレベルはどのあたりなのかが明確になります。

次回の人事考課で給与アップを目指すにあたり、何を実現すればよいのか、社員一人ひとりが理解できるようになるのです。

もちろん、企業としては「目標達成の折には給与をアップする」ことを公言しておきます。成果が出せると判断するか、それとも昇給をあきらめるかは社員の側に委ねられるため、結果的に「自社が残留を望む社員」だけが社内に残ることになるでしょう。

離職理由2:ブラック企業である

経営者の側に自覚があるかどうかにかかわらず、労働者は労働条件が悪い企業を「ブラック企業」だと認識します。

自社がブラック企業と社員に認識されるのは、正直なところ心外だと感じる経営者の方もいると思いますが、まずは自分の胸に手を当てて考えてみることをおすすめします。

ワンマン経営になるのは誰のせいか

社長という立場で経営に携わっていると、社員の意識とのギャップに悩むことが多いかもしれません。しかし、そこで社員の意見をまったく寄せ付けないようになると、ワンマン経営と揶揄されるような乱暴なスタンスに切り替わってしまうおそれがあります。

社長の立場からすれば「社員の働きが不十分だからワンマンにならざるを得ない」というのが本音かもしれませんが、残念ながら多くの社員は社長のワンマンさに嫌気が差しています。

とはいえ、多くの社員は「社長が自分の話など聞いてくれないだろう」と思っているため、不満を持った社員は経営者の想いとすれ違ったまま退職していきます。

企業がブラック企業と呼ばれる以上、それぞれの企業にそう呼ばれる相応の理由があります。

しかし、その根本には「社長と同じ働き方を社員に求めている」スタンスが隠れているため、まずは経営者と社員の働き方・生き方のスタンスが違うことを自覚することが、経営者には求められます。

「社長の器」と「社員の器」は違うと自覚できるか

社長が一から会社を立ち上げ成功するプロセスは、社員が入社して働き始めるプロセスとは、まったく難易度が違うものです。

取引先とのやり取り、顧客からのクレーム対応など、ある時期はほとんどの業務を一人もしくは家族とともにこなしていたかもしれません。

一人で仕事をするということは、長時間労働になることも珍しくなかったでしょうし、業種によっては土日祝関係なく働き続けてきたかもしれません。

そういったバックボーンを持つ経営者が、社員の生き方・考え方に理解を示さないまま理想を追求した結果が、以下のようなブラック企業の特徴を満たす結果につながった可能性があります。

    • パワハラ体質

 

    • 長時間労働

 

    • 休日出勤の常態化

 

もちろん、一部の心ない経営者は、社員を駒のように扱う外道の経営を行っているかもしれません。しかし、社長自身が頑張っている企業もブラック企業と一括りにされることは、経営者として絶対に避けなければなりません。

ブラック企業を卒業するための解決策

自社にブラック企業の特徴が見受けられ、それを改善できずもがいているなら、経営者は組織構成から見直しをかける必要があります。

階層化されている組織構成を改めて、組織の形をピラミッドではなく「船」としてとらえると、全員が同じ目的を見据えて行動できるようになるでしょう。

航海に例えると、港が経営における目標であり、船に乗る人たちが乗組員(社員)です。

全員が港に到達するためには、それぞれが船の中でスムーズに動くための共通言語(社内語)を統一させて、港(目標)に向けてスムーズに進んでいける組織の構築が大切になってきます。

港への到着時間は決まっていますから、それまでに何とか目的地に到達できるよう、それぞれのスタッフが無駄を省くにはどうすればよいのか考えます。

当然、航海中は乗組員も休みを取らなければなりませんから、肝心かなめの船首(オモテ)には経営者が陣取ります。

このように、社員一人ひとりが目的意識を持つと、やがてそれは「この船をどう動かすのか」という経営意識へと発展していきます。

社員に「させる」のではなく、社員と「一緒にやる」スタンスが、社員を育成する立場である経営者には求められているのです。

離職理由3:やりがいを感じられない

仕事内容が固定化していたり、新鮮味を感じられなかったりすると、社員の性格によっては「やりがい」が感じられず職場を離れてしまう可能性があります。

経営者の立場から見ると、一見わがままに思えるかもしれませんが、やりがいの有無は社員の離職を止める重要なポイントです。

経営理念に共感できないと社員はどうなるのか

自社の求人に応募して採用されるまでのプロセスにおいて、すべての社員が経営理念に共感して入社しているとは限りません。たまたま応募時点でスキルがマッチしていただけかもしれませんし、面接で当時の面接官の心に響く何かを持っていただけかもしれません。

経営理念は、社員が入社する前に共感するものではなく、入社した後にこそ共感して欲しい内容です。

そのため、社員が働いていくうちに問題に直面し、朝礼等で唱和している経営理念をふと思い出して「そういえばウチの会社ってそうだったよな」と浸透している状態こそが理想と言えます。

もし、そういった「社員が社内で過ごした時間を思い返す」ためのトリガーが自社に無い場合、社員は問題解決を放棄して転職を検討する可能性があります。自社に対する愛着を持てず、解決の指針も分からないまま、孤独を感じてしまうからです。

経営者や社員一人ひとりは「違う人間」

経営者と社員のあいだには、埋めがたい溝が存在しています。
経営者は企業を動かして利益を生み出すことをミッションとしていますが、社員は基本的に自分の生活を成り立たせることをミッションとしています。

仕事に向き合う際の視点そのものが異なるため、経営者と同じように考えることも、行動することも、ほとんどの社員にとっては難しいのです。そのため、自社のビジョンを共有することと、社員自身の夢や理想を叶えることは分けて考える必要があります。

ただ、共通の目的がなければ、企業としては機能しません。
その共通の目的こそが「企業経営」であり、経営者は永続的な企業経営を実現するため行動しますし、社員は自身の人生をより良いものにするために企業に協力します。

よって、経営者と社員をつなぐもの・すなわち企業とどう向き合うのか、何のために働くのかを明確にすることが、長期的に社員を自社にとどめるファクターとなります。

社員にやりがいを与えるための解決策

社員が自社で働くことにやりがいを感じるためには、最低限企業の軸となるもの・つまり経営理念を明確にすることが必須条件です。

その上で、社員の「何のために働くのか」という問いに対する答えを経営理念と結び付け、最終的にコミットまでつなげていきます。

現実的な観点からは、部門別採算制を導入して賃金の根拠となるものを明確化し、社員の仕事が企業の利益にどれだけ貢献しているのかを見える化することも必要です。現実と理想を結びつけるために、経営理念を活用するイメージです。

経営理念は、企業のビジョンや社員の理想を実現し、エンゲージメントを向上させるための重要なバイブルになります。社員一人ひとりが、前向きに目の前の仕事に取り組めるよう、丁寧に作り込むことが大切です。

おわりに

以上、社員が辞める3つの離職理由と、離職に歯止めをかける防止策についてお伝えしてきました。ここまでお伝えしてきたことを、経営者が一人でまとめることは、非常に難しいと思います。

そこで役立つのがコンサルタントで、コンサルタントが悪役として前面に出ることにより、社員と経営者との溝を埋める仲介役になることが期待できます。

離職率の高さにお悩みの経営者の方は、経営コンサルタントを「社員と経営者の溝を埋める架け橋」として活用してみてはいかがでしょうか。

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