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時間当たり採算制度とは?計算方法は?無駄のない筋肉質な経営が実現できる

こんにちは、ファーストステップ株式会社・コンサルタントです。

今日は、”時間当たり採算”について詳しく見ていきたいと思います。

  • 「時間当たり採算について、気になってはいるけどよく分からない…」
  • 「時間当たり採算を割り出すと、本当に効果があるの?」

そんな方にご満足いただける内容にしたいと思います。

時間当たり採算を知るメリット

売上を目標に経営を行っていませんか?

たとえばイタリアンレストランA店の売上が月150万円。B店の売上も150万円だったとします。

  • A店は常時4人のスタッフがランチとディナーの営業を行い、月150万円を稼いでいました。
  • B店は2人のスタッフで上手に回しながら、ランチ営業のみで月150万円を稼いでいました。

売上を目標にしていると、A店とB店が同じ評価になってしまいます。

しかし、時間あたり採算を求めれば、B店の効率の良い経営状況は一目瞭然です。

時間当たり採算を知ることで、効率の良い経営をしているかどうかが分かるのです。

このように高収益化、高付加価値化できている企業はみなこの”時間当たり採算”が高いのが大きな特徴です。経営で勝ち組になるために追求すべきなのは、単なる売上の最大化ではありません。

かかる経費が高ければ収益性が悪化します。売上を最大化するだけでなく、いかに経費を小さくできるか。効率の良い経営を目指すためには、この”時間当たり採算”という考え方が欠かせません。

時間当たり採算の求め方

時間当たり採算とは、従業員1人あたりが1時間の労働でどれぐらいの付加価値を生み出したか?を求める計算です。

売上 ー 経費 = 付加価値

付加価値 ÷ 総時間 = 時間当たり採算

これが時間当たり採算の求め方になります。

そして、これを事業部ごと、部署ごと、店舗ごとなどの定められた範囲で求めることで、採算の良し悪しを部門別会計として比較することができます。

小集団(アメーバ)ごとに独立採算として、この時間当たり収益を元に経営を行うという考え方は、アメーバ経営でお馴染みの稲盛和夫氏も提唱しています。

時間当たり採算を明らかにすることで起きる変化とは?

社員が「売上を大きくしよう」という意識で働くのと、「時間当たり採算を良くしよう」という意識で働くのでは、何が違うのでしょうか?

売上の最大化を目標とした場合、極端な話売上さえ上がればダラダラ残業しようが自由、経費をいくら使っても自由なのです。売上ベースの仕事をしていると、結果的に収益は残りません

時間当たり採算を意識した働き方にシフトすると、売上の最大化だけでなく、経費の最小化もまた社員一人ひとりのミッションになってきます。

そして、その仕事ぶりは、経営者の意識と同じ。つまり、「全員経営」ができるようになるのです。

採算が見えると、社員レベルが上がる

目の前の営業数字だけを見ていた社員が、”時間当たり採算”という考え方に触れることで経費の最小化をも目指す。

これは、全員経営ができるようになるということです。

会社のことが見えるようになると、社員は能動的になります。ただ売ることが評価されるのではなく、効率の良い経営をするためにどう貢献するか?という意識を持つことで、社員の意識が経営者層に近い状態にまでレベルアップします。

会社のことを考えろ…と、ただ漠然と言われても取り組むことはできませんが、この時間当たり採算という概念を知れば、誰でも効率の良い筋肉質な経営をするための準備が整うのです。

時間当たり採算を導入する方法

部門別に時間当たり採算を産出して、それを社員に開示し経営に活かしていく…そのためには、店長や部門の責任者レベルが自分でこの時間当たり採算を割り出すことができなければいけません。

そもそも、一部門の長を任されているのに、採算を知らない…ということは大問題です。

でも実際には、中小企業ではそのような方が多いように感じます。

社内教育の一環として会社の数字を教えていくことは、幹部教育の命題でもあります。

ぜひ本腰を入れて取り組んでいただきたい部分です。

採算が見えないと、打つ手もないから…

いかがでしたか?

この時間当たり採算という概念を改めて知ることで、幹部たちが日頃採算を意識しないまま働いているという現状の危うさをまず感じていただきたいと思います。

経営者だけがこの時間当たり収益という概念を理解し、採算を意識した経営を行っていても、その下にいる幹部や社員たちがこの意識を持っていなかったら、筋肉質な経営は実現できません。

「採算って何?」というところから始まり、「時間当たり採算を割り出す」というのを日常業務の一つとしてぜひ取り入れていただけたらと思います。

そして、採算の良い部署や店舗を見つけて表彰するもよし、ノウハウを他部署にシェアするもよし。採算を知ることで企業の改善活動はもっと、もっと良くできますよ。

時間当たり採算を制すものは、経営を制す。

ぜひ取り組んでみてください。

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