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知ってるようで知らない社長の仕事とは?結局何をやるべきなのか

社長と社員の仕事には、決定的な差があります。
それは、企業の意思決定を行う上で、社長にしかできない仕事がある点です。

社長が自分の仕事に集中できないでいると、やがて企業運営においても大きな問題が発生するおそれがあります。

この記事では、知ってるようで知らない「社長の仕事」の種類を紹介するとともに、仕事を確実に進めるためのポイントや、社長が仕事に集中できない場合のリスクについて解説します。

社長の仕事とは、具体的に何を意味するのか

社長の仕事は、社員に割り振られている仕事に比べて多岐にわたるため、仕事をしている当人である社長もすべてを把握しきれていない場合があります。

ただ、大まかに社長の仕事を区分すると、概ね以下のような職務が該当します。

経営計画の策定

社長は、企業のトップとして、自社がこれからどこへ向かっていくのか・何をすべきなのかを決めなければなりません。すなわち、経営計画の立案が求められる立場のため、その責任は重大です。

経営計画を立てることで、短期的な視点ではなく、中長期的な視点から事業をとらえることができるようになります。また、経営計画によって、売上目標や自社の経営上の課題を明確にできるため、将来の見通しも立てやすくなります。

説得力のある経営計画を策定できれば、社員は会社の目標・ビジョンを共有できるようになり、モチベーションの維持・向上にもつながります。

そのため、日夜現場に出ている社長であっても、経営計画を思案する時間を設ける必要があります。

資金管理や調達

企業が運営資金を得る方法は、売上だけではありません。
金融機関からお金を借りたり、クラウドファンディングによってプロジェクトの資金を調達したり、方法は様々です。

企業が得た資金は、適切な形で運用・管理されなければなりません。
無軌道に投資してしまうと、返済時期に現金が用意できなかったり、投資の成果が十分に出ないうちにプロジェクトが終了してしまったりするおそれがあります。

特に、金融機関から資金を調達する場合、企業自体の信用がモノをいいます。
事業計画の中で、借りた資金の使い道や利益見込みなどを説明しなければ、十分な資金を借りることは難しいでしょう。

新事業の展開など、諸々の条件を満たしている場合は、補助金・助成金を得ることも検討します。資金繰り対策も含め、複数の資金調達手段を把握しておくことが、すべての社長に求められます。

社員の育成や環境整備

企業にとって最大の資源は人ですから、社員の育成・社員が働きやすい環境の整備は、社長の重要な仕事の一つです。企業が売上を出し続け、永続的に成長するためには、社員の能力を活かすことが欠かせません。

自社の方針に沿って仕事を進めてくれる社員は、一朝一夕では育ちません。
よって、企業は適切な訓練や研修を通して、社員を自社にふさわしい人材へと育て上げる必要があります。

また、労働環境を充実させることは、社員の能力を最大限発揮させる上で非常に重要です。
社内の雰囲気が悪かったり、働きにくい環境が改善されなかったりすると、離職率が高まってしまいます。

社内で人材が育たない状況が続くと、企業を成長させる上で必要な人材が十分に集まらず、経営が行き詰ってしまいます。経営を円滑に進めるためにも、社長には社員の育成・環境整備の施策を講じることが求められます。

営業活動(大口)

社長に課せられた仕事は、主に経営に関するものですが、それ以外にも「社長という立場だからできる」仕事があります。一例として、社員では契約できないような、大口の契約を決めることがあげられます。

取引の規模が大きくなる契約に関しては、いち社員の立場で契約を結ぶのが困難になります。たとえ、社員が見つけてきた案件だったとしても、契約は社長が直々に行うことになるでしょう。

また、創業時からお世話になっている人たちとの人脈を維持することも、社長の大切な仕事の一つです。自社に恩恵を与えてくれた人に報いることで、経営危機が訪れた際に、助け舟を出してくれる可能性があります。

幹部候補の教育など、特定の目的の下にやり取りを任せるケースを除いて、自社にとって重要な人脈の構築・維持は社長の仕事になるでしょう。

得意分野の遊撃隊

経営者は、誰もが「経営が一番得意なジャンル」とは限りません。
経営者の中には、経営者になるまで商品開発などを担当していて、得意分野で一定の成果を残しているようなケースも珍しくありません。

そのような経歴を持つ社長であれば、あえて経営者自身が得意な分野の部門に顔を出し、企業の成長を促すのも一手です。言わば「得意分野の遊撃隊」として、意思決定のかたわら各部署ともやり取りを行い、迷っている・悩んでいる人にアドバイスをするイメージです。

例えば、アイデアを出す力が飛びぬけて強いのであれば、社長としてではなく商品企画の顧問的立場として、企画部門の会議に参加するのもよいでしょう。

社長自身の得意分野も含め、自社で働く全員が能力を活かせる雰囲気を作ることも、社長の大切な仕事です。

社長が自分の仕事を確実に進めるためのポイント

忙しい時間を過ごす中で、社長が自分の仕事を進めていくためには、ある種の心構えが求められます。以下、社長が社長としての仕事を確実に進めるためのポイントをご紹介します。

社長の仕事の重要性をアナウンスする

社員一人ひとりに仕事が割り振られているように、社長もまた「社長の仕事をしなければならない」立場として存在しています。

しかし、社員の多くは社長の仕事内容について理解がない場合がほとんどですから、以下の点について社長は社員にあらかじめアナウンスしておく必要があります。

  • 社長の仕事内容
  • 社長の職務の重要性
  • 仕事を円滑に進めるには社員の協力が必要であること

上記の内容をアナウンスする際に、社長は自分が「どうすれば効率的に仕事ができるのか」を考えておきましょう。朝令暮改を覚悟で、フィットしない体制は改善することも想定しつつ、社長にとって最適な環境を整えていきます。

社長の仕事は「何を差し置いても」必ずやる

先にご紹介した社長の仕事は、社長にしかできないことばかりです。
よって、社長が自らの仕事を滞らせるわけにはいかないため、他の仕事の合間に少しずつやるのではなく「何を差し置いても」必ずやるという意識を持つことが大切です。

社長として精力的に働いている人の中には、現場で働きながら経営に携わっている人も多いはずです。そのような状況だと、どうしても自分の仕事のことばかりが頭に浮かぶと思いますが、経営に関わる重要な仕事は社長にしかできません。

一定数以上の従業員を抱えているなら、任せるところは任せて、経営に集中する時間を設けましょう。社長が倒れてしまったら、経営もまたおぼつかなくなってしまいますから、社員を路頭に迷わせないためにも社長の仕事を優先すべきです。

周囲の協力に対する感謝を忘れない

社長が自分の仕事に集中するためには、社員に協力してもらう場面が増えるものと予想されます。社長は、社員のおかげで自分が仕事に集中できていることへの感謝を、目に見える形で示すことが大切です。

月ごとの例会で感謝を述べたり、給与袋にメッセージを入れたり、感謝の気持ちを伝える方法はいくらでも考えられます。どんな方法を選んでもよいので、社員が進んで協力したくなるような雰囲気を作れるよう努力しましょう。

社長が自分の仕事に集中できないリスク

社長が何らかの理由で仕事を放置した場合、当然ながら悪影響が懸念されます。
以下、社長が自分の仕事に集中できないことによる、経営上のリスクについてご紹介します。

経営上の問題が放置される

企業経営は、今日問題を解決したとしても、明日以降にはまた新しい問題が発生するものです。そのため、企業として問題解決の機会がないまま時間だけが過ぎていくと、経営上の問題はそのまま放置されてしまいます。

経営上の問題が放置されたままだと、だんだんそれぞれの問題は結合し始めます。例えば、資金調達が上手くいっていないところで、取引先の倒産が発生した場合、一気に資金繰りは苦しくなります。

もし、取引先が倒産する前に資金調達の手段を増やしていたら、影響は最小限に抑えられたかもしれません。このように、一つの問題を放置しておくと、他の問題が発生した際に身動きが取れなくなってしまうおそれがあるため、経営者は自らの仕事を止めてはならないのです。

「今」のことしか考えられなくなる

自身も現場で働くことがある社長は特に注意したいのですが、社長業以外の仕事に携わる時間が多くなってしまうと、どうしても意識が「今」だけに集中してしまいます。

すると、思考が今を中心にして進むようになるため、だんだん未来のことを考える時間が少なくなってしまいます。

経営は、5~10年先の状況を考えながら進めていくものであり、今だけに集中していると、未来の脅威や希望を正確にとらえることができなくなります。すると、不安要素が迫りつつある状況下でも、有効な手を打てないまま時間だけが過ぎてしまうでしょう。

未来を見据えた経営ができないと、やがては同業他社に追い抜かれてしまったり、自社の有利な条件で契約を結べなくなったりするリスクがあります。そうなると、社員の気持ちも自社から離れてしまいますから、社長は経営計画の策定に注力すべきです。

ビジネスモデルが改良できない

ビジネスモデルは、一度構築すれば時代を経ても半永久的に運用できるものではないため、定期的に改良を施す必要があります。自社のビジネスモデルが陳腐化すると、新しい手法を取り入れている企業との間に大きな差が生じてしまいます。

社長はその立場上、社員に比べてフットワークが軽く、自由度の高い働き方ができます。よって、ビジネスモデルの改善に必要な情報収集や、具体的な改善プランの策定は、社長の重要なミッションと言えます。

しかし、社長の仕事が何らかの事由で阻害されると、ビジネスモデルの改良に時間を割くことができません。問題に気付かないまま、あるいは問題に気付いていても対策が取れず、企業衰退へとつながっていくリスクが高まります。

企業を末永く永続させたいなら、ビジネスモデルも含め、社長が企業全体のブラッシュアップに携われる時間を確保することが大切です。

おわりに

社長には、社長にしかできない仕事があります。
社長としての仕事をせずに、社員を雇うことはできませんし、企業を成長させることもできません。

社長の領分を正しく理解して経営に臨むことは、すべての社長に求められる要素です。

本来の仕事に注力できない状況が続いているなら、社長業以外の仕事は極力周囲に任せつつ、自分の仕事に集中しましょう。

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