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社長の右腕を育てたい!会社のNo2を育てるのに必要な3つのポイントとは

社長の右腕を育てたい!
企業が健全な形で成長していくには、社員の自社に対する忠誠心を高めつつ、自社をより良くするために意見が言える風通しの良い環境を作ることが大切です。

そのためには、社長が自分の一番身近にいる社員・いわゆるNo2と信頼関係を築く必要があります。

No2が社長に対して忌憚なく意見を述べられる会社には、他の社員が「安心して仕事できる空気」が生まれやすくなります。

ただ、社長の接し方次第では、No2が社長に反感を抱くケースもあり、No2を育てることは決してかんたんではありません。

この記事では、社長が自分の右腕と認める人物をどう育てるべきか、No2育成のポイントを3つに分けてご紹介します。

No2候補と「濃密な」コミュニケーションをとる

社長の右腕を育てたい!

社長の立場から見て、No2になれる素養を持つ人間がいるなら、できるだけ濃厚なコミュニケーションをとるよう意識しましょう。自分から話しかけるのはもちろんのこと、No2候補の意見や考えをしっかり聞くスタンスを崩さないことも大切です。

分かったつもりにならず、あらためて関心を持つ

No2候補につき、自分と同じ夢を共有する立場だと考える社長は少なくありませんが、残念ながら社員にはそれぞれの生活や理想というものがあり、現在自社で働いているのも、No2候補それぞれの理由があってのことです。

そのため、No2候補と接する際は、自社で仕事をしてくれていることを当たり前だと思わず、相手のことを分かったつもりにならず、あらためて関心を寄せる意識が大切です。

特に、No2候補が自社に何を求めているのか・社長に何を求めているのかを知らないと、普段のコミュニケーションが少しずつズレてしまいます。

気が付いたらボタンの掛け違いにならないよう、日々の業務の中でターゲットとする社員の意識を共有できるよう、以下の情報を知るためのコミュニケーションを意識しましょう。

    • 入社した理由や業務に従事する目的
    • 自社で働いて良かったと思っていること
    • これまでで一番モチベーションがアップした経験
    • 将来のビジョン
    • 現在困っていること、悩んでいること

業務の合間や移動中の社内など、会話を持ちかける中でさりげなく聞く姿勢を見せることにより、相手は「社長はよく話を聞いてくれそうだ」と考え、自分から話をしてくれるようになるかもしれません。

No2候補に対する威厳が必要だと考える社長も少なくありませんが、その威厳を保ってくれる立場の人間がNo2であることを理解して、壁を作らずに接しましょう。

オープンクエスチョンを心がける

No2候補と対話をする際は、できるだけオープンクエスチョンを心がけましょう。質問に対して自由に答えられる雰囲気を作ることで、相手の本音に迫っていきます。

オープンクエスチョンの場合、相手は単純に「はい」や「いいえ」で回答できないため、何とかして自分の考えを言語化し、社長に伝えようとします。その際、徹底して話を聞こうとする姿勢を作ることが、社員の心を動かします。

相手の方を向いて、相手に耳を傾ける姿勢は、間違いなく相手に伝わっています。

普段、社員と話していて表情を大きく崩すことはない人物が、相手の前でだけ大きなリアクションをするだけでも、話をする相手には特別に感じられるものです。

また、会話を続ける中で、社長自身も本音で驚いてしまうような話がNo2候補から飛び出てくるかもしれません。

このように、オープンクエスチョンで答えを限定しない質問を投げかけることは、部下とのコミュニケーションを円滑にしてくれるメリットがあるのです。

肯定ありきで会話する

せっかく話を聞く以上、社長は基本スタンスとして「全肯定」のスタンスで、No2候補の話を受け止めましょう。自社の将来や自分の処遇につき、社員が不満を述べたとしても、まずはいったん「腑に落とす」意識でコミュニケーションをとりましょう。

一度でも否定的な表情・考えを表に出してしまうと、社員はNo2候補とはいえ、委縮してしまう可能性があります。

もともとそれほど仲が良くない場合は、逆に反発されるリスクさえあります。

また、前向きな意識でアドバイスを行ったとしても、それが逆に否定だと勘繰られる可能性も考えられるため、まずは相手が言いたいことをすべて受け入れる覚悟が必要です。

どうしても自分の考えを伝えたい場合は、相手が言いたいことを一通り述べたことを確認するまで待つべきです。

No2候補と「柔軟な」信頼関係を築く

社長の右腕を育てたい!

コミュニケーションの取り方を意識して、No2候補の意識が徐々に社長に向いてきたと感じたら、次は信頼関係構築へと移ります。

このとき、社長の立場としては、No2候補に自社の将来・未来を押し付けるのではなく、あくまでも柔軟に「人対人」の関係を構築することを意識したいところです。

思い込みは信頼の敵

コミュニケーションに関してもそうですが、No2候補がいかに自社にとって有用な働きを見せていても、それが当人の本意かどうかは、よくよく話を聞いてみなければ分からないことです。

「この人なら信頼できそうだ」と過度に意識したり、逆に「俺の下でこそこいつは輝く」と思い込んだりすると、まったく逆の結果に転がってしまう可能性もあります。

特に、これから右腕として精一杯可愛がろうとして、様々なことを教え込むようになると、やがてNo2候補にビジネスパーソンとしての自我が芽生えたとき、強烈に反発されるかもしれません。

子育てで言えば「反抗期・思春期」を迎えるようなイメージですが、ここで社長がNo2候補と心の距離を離してしまうと、これまで投資してきた時間や労力が無駄になってしまいます。

周囲の評判を吸い上げて能力を判断

No2候補を決め、育成の方針を定めてからも、社長は自分の思い込みを手放すよう意識すべきです。そのためには、自分の考えや判断だけに頼らず、周囲から候補者の評判を吸い上げながら能力を総合的に判断していきます。

No2候補に対して、他の社員からヒアリングを行った結果、自分の評価以上に候補者が献身的に働いてくれていると分かる場合があります。

逆に、社長に対しては温厚・誠実な姿勢を見せていたにもかかわらず、社員に聞くとひどいパワハラをしていることが発覚する場合もあります。

No2候補も人間ですから、社長の前で見せる態度と、その他大勢の人の前で見せる態度が一致していないことは、決して珍しい話ではありません。

近しい距離で話をする人間だからこそ、周囲の評価も吸い上げながら、経営陣にふさわしい人材なのかを判断することが大切です。

職務・役割を定めた誓約書を交わすのも一手

現在の仲の良し悪しに関係なく、社長の右腕として候補者に働いてもらうためには、あえて誓約書を交わすのも一手です。職務・役割を決めることで、自社にどう貢献すべきなのか、具体的なイメージを候補者に与えるねらいがあります。

また、社長はその際に「実質的にあなたが自社のNo2である」と伝えるため、登用の理由や待遇について詳しく伝えます。

経営に関わる部分に携わってもらうことを伝えたり、機密情報を共有したりして、お互いがお互いを認め合える関係を構築するため、書面を交わすイメージです。

実際、社員は社長に対して、なかなか待遇の改善や仕事の要求について言い出しにくいものです。だからこそ、誓約書という形でNo2候補の意思を吸い上げ、お互いを認め合える状況を意図的に作ることが、将来にわたっての信頼関係の構築につながります。

No2候補に「任せきる」経験をする

社長の右腕を育てたい!

No2候補を選定したら、次は社長が決めたミッションにつき、手を出さず「任せきる」経験をしましょう。自分が主体となって働いてきた社長としては、これまで自分が対応してきた業務を任せることに不安を感じると思いますが、それも含めて社長としての貴重な経験になるはずです。

任せる仕事は「背伸びすればできそうなもの」を選ぶ

実際に仕事を任せる場合、No2候補に丸投げするのではなく、どこまで自力で進めてOKなのか「裁量」を決めていきます。

どんな動きを候補者に期待しているのか説明することで、候補者は行動の根拠を自覚しながら進められるため、社長から精神的に離れた状態で仕事ができます。

ただ、難易度をいきなり上げてしまうと、負担の大きさに耐えられず辞退してしまうおそれもあります。よって、任せる仕事をいくつかあげ、その中から候補者本人が「背伸びすればできそうなもの」に絞って選んでいきましょう。

No2本人に対して任せる仕事の難易度を事前に伝える

実際に任せる仕事を選ぶ際は、No2候補本人にその旨を伝えつつ、同時に仕事の難易度についても伝えていきます。役職を与えるなら、その後の立ち回り方も含め、社長としてフォローを入れられるポジションを選びます。

例えば、社長が社員に対する指導役とフォロー役を兼務しているなら、そのどちらかを任せてみるのもよいでしょう。

社長が引き続き指導を行う場合、自然とNo2候補に求められるポジションはフォロー役となりますから、裁量や要求についても伝えやすいはずです。

資金繰りを主に社長が行っている場合は、金融機関とのやり取りを少しずつ任せてみるなど、段階的にポイントを説明して、教わる側の負担を減らすのも一手です。

ただ、何度目から自力で対応するのか・どこまでが社長としてフォローに入る範囲なのかは、あらかじめ当人に伝えておきます。

望み通りの成果を出せたら報いる

仕事を任せた結果、No2候補が望み通りの成果を出すことができたなら、きちんとその成果に報いることも社長の仕事です。

社長と候補者の間で交わした約束を達成できた場合は、昇給や正式な昇進を認めるなど、No2候補が納得できる体制を構築しておくことが大切です。

また、普段の業務の成果に関しては、報告書・日報という形で報告を受け、フィードバックを与えることも忘れずに行いましょう。

注意点として、万が一失敗した場合にも罰則は与えず、折々でチャンスを与えるようにします。

とはいえ、社員を一度上席に据えると、なかなか降格・解雇という選択肢は選べなくなるため、社長は忖度することなく部下に成果を要求しましょう。

何度もチャンスを与えても成果を出せていないなら、それは当人に適性がないことも十分考えられるため、事情を説明して他のポストを用意した方が賢明です。

おわりに

No2は、社長のよき理解者であると同時に、社長に意見ができる存在でなければなりません。

社長がNo2を育成する場合は、指示やコーチ・アドバイスよりも傾聴を意識しつつ、メンターとしてNo2の業務に対する意識を高めていきましょう。

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