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社長や経営者は孤独?1人で悩む?その理由と解消法について

社長や経営者は孤独?

社長・経営者は孤独だとよく言われますが、それは経営者が「自分のことしか考えていないから」ではありません。実際のところ、自分の話を気軽に誰かにできない立場であることから、なかなか本音を打ち明ける機会がないだけだったりします。

ただ、自分が社長だからといって孤独を貫いていると、窮地に陥った際に助けを得られない可能性は十分考えられますし、健康維持の観点からも不安があります。

この記事では、孤独な時間が多いと感じる社長向けに、経営者が孤独を感じる理由とその解消法についてご紹介します。

社長・経営者が孤独を感じる理由

中小企業の経営者が孤独を感じるのには、何かしらの理由があります。
社長本人のパーソナリティとして、孤独な時間が好きな場合を除いては、以下のような理由から孤独を感じるケースが多いようです。

部下に話せないことができる

経営者の価値観は、従業員の価値観とはまったく異なります。
経営者は物事を決断する側で、従業員はそれに従う側ですから、そもそも平等な立場でコミュニケーションをとることができないわけです。

また、中小企業の経営者は、すべての経営責任を自ら負うことになります。
代表取締役として経営に従事している間は、企業から逃げることができません。

これに対して従業員は、企業に文句があればそこを離れることができます。
労働問題が発生した場合、労働基準監督署など労働者の味方をしてくれる機関もたくさんありますから、従業員は経営者に比べて諸々の観点から保護されていると言えます。

こういった立場の差があると、次第に経営者・従業員の間には、精神的なバリケードが生まれてきます。「その気になればいつでも辞められる」人材に対して、本音を打ち明けることは、どんなに豪胆な経営者であっても難しいでしょう。

他者に期待しなくなる

自社の企業経営につき、全責任を負う立場である社長にとって、他者は無条件で信頼きる存在ではありません。愛する我が子でさえ、ときに親の期待を裏切る行為を行うことがあるわけですから、赤の他人である社員や取引先を100%信用できないのは当然のことです。

応募書類や採用面接での受け答えを見る限り、十分成長の伸びしろがあると判断した人材であっても、実際に現場に登用したら思っていた成果を出せなかったケースは、枚挙にいとまがないことでしょう。

とはいえ、こういったケースは主に経営者側に任免権があるわけですから、登用に失敗した点に関しては社長にも責任はある話です。

問題となるのは、意図的に自社を裏切るような行為を犯す社員が、残念ながら一定数存在していることです。横領やパワハラ・贈収賄など、巷をにぎわせる事件が起こった際に、企業責任を問われる場面も少なくありません。

信頼していた幹部が、経営資金を使い込んでいたことが分かったら、経営者が人間不信になってしまうのも無理はない話です。あるいは、長年取引があった取引先が不祥事でつぶれてしまったら、一抹の虚しさを感じることでしょう。

そのようなシビアな状況を想定して仕事をしていれば、誰でも「他人に期待することは止めよう」と考えるでしょう。

もちろん、そこまで深刻な事態を迎えるケースはまれでしょうが、他者を使用し過ぎることのリスクを考えた結果、多くの社長は孤独と向き合わざるを得ないのです。

話が合わなくなる

学生時代からの友人と、話が合わなくなった経験がある人は多いかもしれません。
経営者も同様で、例えば同年代の友人が集まる同窓会に顔を出すと、おそらくほとんどの友人と話が合わないはずです。

企業経営を経験したことがない友人の中には、おそらく勤め先の愚痴や自分の未来を悲観するトークスタイルが染み付いている人物もいます。そういった友人が、かつては夢を高らかに語っていた人物だとしたら、そのギャップだけで切ない気持ちにさせられることでしょう。

まだ、似たような境遇の同窓生が集まって話をするならよいのかもしれませんが、酒が回って経営者である自分に絡んでくるような事態が生じたら、余計に面倒です。

経営のけの字も知らない人間から、社長だから豪遊できるとか、社長だから楽しく過ごせていいなとか言われたら、どんな経営者でも腹が立つはずです。

そんな経験をした多くの経営者は、これまでの友人関係を崩したくない一心で話を切り上げ、その後は同窓会に参加することを控えるでしょう。

こういった状況に陥るのも、ある意味では経営者の宿命と言えます。

最終決定は自分で下さなければならない

経営者は、意思決定をする立場であることから、基本的に他者の意見は参考程度にしか聞きません。厳密に言えば、聞けないと言った方が正しいのかもしれません。

これまでにない革新的な決断や、誰も手をあげない事業に取り掛かろうとする決断は、それだけリスクも大きいものです。社長が周囲の意見を聞いて決断するスタンスだと、なかなかスピーディーなスタートは切れないでしょう。

新型コロナウイルスの脅威が大きく取り上げられた時期、厚生労働省・都道府県の要請を受けてアパホテルが軽症者向けにホテルを一棟貸し出したニュースは、国民に衝撃を与えました。

利害関係者の数が多い株式会社では、なかなか思い切った決断はできなかったものと推察されますが、アパグループは非上場だったことから迅速な対応ができたと言われています。

決断が早いほど、企業は大きなチャンスが得られます。
優秀な経営者は、最終決定を自ら下せる立場にいるメリットを、よくわきまえているのです。

社長・経営者が1人で悩まないための孤独解消法

社長・経営者が1人で悩まないための孤独解消法

孤独な時間が多いのが、社長・経営者の宿命であったとしても、どこかでガス抜きは必要になってくるはずです。

経営者が1人で悩まないための環境を作るには、以下のような孤独解消法がおすすめです。

複数の人脈を作る

社内では、少なくとも仕事において完璧な存在に近い経営者であっても、プライベートまでそのようなスタイルで過ごすのは無理があります。

家族やパートナーには頭が上がらないかもしれませんし、スポーツジムでは先輩利用者の陰に隠れて筋トレを行っているかもしれません。

ただ、経営者にとって、できるだけ自社の利害関係に属さない人脈を作っておくことは重要です。仕事と関係なく、忌憚ない意見を述べ合える関係は、人間らしい生活をする上で欠かせないものだからです。

普段、社員に対して怒りをぶつけることがあったとしても、仕事を離れた際に1人の人間として付き合える素養を身につけておけば、何かあったときのフォローもスムーズに進みます。

威厳を保つ場面と、そうでない場面を使い分ける意味でも、社外で良い人間関係の構築を意識することが大切です。

経営者同士で腹を割って話す

経営者が他人に経営の悩みを相談できないのは、立場の違いや自社に与えるリスクの大きさを想定してのことでした。しかし、逆転の発想で相談相手を探してみると、良い関係が築ける相手が見つかるかもしれません。

具体的には、経営者同士で腹を割って話せるコミュニティに参加するなど、同じ立場の人と話せる環境に身を置く方法があります。自分が相談したい悩みを投稿することで、似たような経験のある社長からアドバイスを受けられるサービスもあります。

例えば、新規開拓が上手くいっていないことに悩んでいるなら、業種や地域性・企業規模などを伝えることで、似たような経験をした社長が回答してくれるかもしれません。

社員や家族に相談できないなら、経営者仲間に相談するというのは、意外と効果的な方法です。

立場を超えて話せる「メンター」を作る

社長の孤独は、ときに経営効率を落とすことにもつながります。
ちょっとしたことに悩んで、決断が遅れてしまうと、企業が置かれている状況によっては大打撃をこうむることも考えられます。

そんなとき、社長に立場を超えて話せるメンターがいれば、気持ちを切り替えやすくなるでしょう。メンターとは、人生や経営など諸々の悩みに対して、気軽かつ安心して相談できる人のことをいいます。

メンターを探すにあたり、資格のようなものはありません。
そのため、仕事やプライベートの人脈を通じて出会った人の中に、自分にとってのメンターが隠れているかもしれません。

自分よりも年上で、自分よりも実力があると思しき人がいたら、一度相談してみましょう。経営者としてではなく、個人として謙虚に教えを乞う姿勢を見せれば、思ってもみなかったアドバイスを受けられるかもしれません。

本を読んで先人から学ぶ

近くに頼れる人が見つからないからといって、孤独を受け入れるのはまだ早いかもしれません。世の中には、歴史に名を残す人物や、同じ経営者として多大な功績を残した人物が、たくさんの著書を残してくれています。

パナソニックの創業者である故・松下幸之助氏は、経営に関する知恵・ノウハウを、著書の中で惜しみなく提供してくれています。京セラの創業者であり、日本航空を再生させた故・稲盛和夫氏も、様々な経営哲学を残しています。

本を読む場合、成功者からだけでなく、失敗者からも学ぶことができます。
一時は経営が軌道に乗り、我が世の春を謳歌していた社長が破産したエピソードの中には、数多くの箴言が含まれています。

その他、経営の原理原則を学ぶために、専門的な書籍を読むこともあるでしょう。
読書の習慣は、ピンポイントで問題を解決しようとする方法には馴染みませんが、自分の引き出しを増やすのに役立つはずです。

1人で静かに感謝する時間を作る

1人法人などの特殊な形態を除き、多くの企業は社長1人の力だけで成り立っているわけではありません。社員の協力・取引先との関係・顧客の信用によって成り立っている部分が大きいため、経営者としては感謝の気持ちを持って職務に精励することが大切です。

ただ、忙しい時間の中で、意識して社員に感謝するのは、とても難しいものです。
1日の仕事が終わった後の、わずかな時間で構わないので、自分に縁をなす人に感謝する時間を設けてみましょう。

可能であれば、頭の中に感謝の言葉を思い浮かべるだけでなく、日記などの形で文章化することをおすすめします。自分が日記に書いた内容を振り返ることで、これまで頑張ってきた自分に対して感謝の気持ちが生まれることでしょう。

おわりに

社長・経営者が孤独だと言われるのは、その特殊な環境に一因があります。
ただ、孤独を解消する方法がまったくないわけではなく、人を選んで相談したり、先人に学ぶ機会を設けたりすることで、状況は改善するはずです。

人間、悪いことを考えようと思えば、いくらでも悪く考えてしまうものです。
雑談をする相手を見つけるだけでも、自分の気持ちを整理できるはずですから、まずは話し相手を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。

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