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会社経営に失敗する社長の特徴。会社を潰す社長を見極めるポイント

会社の経営は、社長が責任を負うべきことですが、会社自体は社長だけのものではありません。利益を出し、社会に貢献することを条件に、会社の設立は許されているものと考えてよいでしょう。

よって、会社経営に向いていない・会社経営に適さない性質を持つ社長が経営に関わると、やがて会社を潰してしまう可能性があります。

この記事では、会社経営に失敗する社長の特徴について、主だったものをご紹介します。

性格的に社長に向いていないケース

一般的な社員としては及第点だとしても、経営者となるにはふさわしくない性格の人は、残念ながら一定数存在しています。

以下のような傾向が見られる・自身で自覚している社長は、早急に性格を改善する必要があるでしょう。

意思の弱さ

日本社会では、会社員という働き方を選ぶ人が多数派です。
そのような中で起業や経営を志すということは、並々ならぬ意思があってのことと考える人は多いかもしれませんが、例えば親族経営の場合は必ずしもそれが当てはまりません。

会社を引き継いだ状況によっては、自身が経営者に圧倒的に向いていないにもかかわらず、周囲に与える影響を考えて渋々就任した社長がいても不思議ではありません。そして、そのような社長は総じて「意志の弱さ」に悩まされることとなります。

意志が弱い社長は、自らルールを作っても、それを自分が守れません。
あるいは、ルールは社員を縛るものであり、自分が守る必要はないと考えていることもあります。

当然ながら、そういった人間は信頼されないので、優秀な社員はどんどん離れていってしまいます。結果、社長は太鼓持ちだけに囲まれて過ごすので、どんどん経営がおかしくなっていくリスクが高まります。

だらしなさ

一口にだらしないといっても、社長の場合、様々な観点からその「だらしなさ」が社員の目に映ります。仕事の進め方や取引先との対応にモラルが感じられなかったり、肝心なところで逃げるような姿勢を見せたりすると、次第に社員は社長に対する信用を得られなくなります。

その他、本業と違う部分での儲け話に弱く、自分がよく分かっていない投資に関する話に興味を示すようだと、社員としても「この会社で働き続けて問題ないのだろうか」と考えざるを得ないはずです。

例えば、仮想通貨への投資を検討している場合、企業としては個人以上に慎重な判断が求められます。全くの素人にもかかわらず、マイニング投資やICOについて興味を持ち、深く考えずに投資を検討するのは、悪手となる可能性が高いでしょう。

社長のだらしなさが社員に伝播すると、社内外が汚くなったり、社員の服装が乱れていたりして、会社全体の雰囲気が悪くなることもあります。

社内の風紀を乱さないためにも、まず社長から意識を正すことが大切です。

先送り思考

社員が仕事をしていて問題が発生し、社長に助けを求める場合、社員としては「今すぐに」問題を解決したいと思っています。

そのため、社長がどんなに忙しかったとしても、問題解決を先送りされるのはストレスになりますし、社員としても解決策が頭に浮かばないまま仕事を進めるので効率が悪くなります。

実際のところ、社長が社員に対して明確な解決策を講じないのは、問題を先送りする思考に原因があります。こういった傾向のある社長は、自分優先で物事を考えるあまり、周囲の問題や会社の問題を先送りしてしまうのです。

問題解決にあたっての情報収集能力が弱かったり、関連法規の学習や違法行為の認識に疎かったりすると、そのような社長はだんだん決断を後回しにするようになります。やがて、問題が表面化するころには、身の回りに味方が誰もいない状況に陥ってしまうのです。

社長を続ける中で性格や考え方がねじ曲がったケース

社長業は、過酷なストレスを抱えながら、社員の生活を守りつつ、経営に関する決断を継続して行う仕事です。そのため、会社を立ち上げた当初は希望に燃えていた社長であっても、次第に性格・考え方がねじ曲がってしまう可能性があります。

以下のような傾向が見られる場合、社長はただちに能力改善に努めなければなりませんし、幹部も現状を無視してはいけません。

モラルに欠ける行動をとっている

社長という働き方は、その性質上、周囲に対して何かを相談する機会が極端に少なくなります。社長の力が強まると、周囲も社長に対して反対意見を述べなくなるため、次第に周囲への配慮がなくなってしまう社長も少なからず存在しています。

そのような社長は、家庭にパートナーがいるのに愛人を作り始めたり、海外へ視察と称して遊びに行ったりします。このようなモラルに欠ける行動を社員が見ると、当然ながら士気は下がってしまいます。

社員に対する愛がない・偏っている

家族経営・1人法人など特殊なケースを除いて、会社は社長だけでなく、社員も一緒に成長させていくものです。それなのに、社員に対する愛がなかったり、一部の社員に偏っていたりすると、経営はきわめて不自然なものになってしまいます。

問題社員を1人放置しておくだけでも、社内の雰囲気は悪くなっていきますし、社長がその社員を良い意味で気にかけている状況は最悪と言えます。社員に対して公平な態度をとり、愛のある対応ができていない会社には、希望のある未来は期待できません。

取引先に対する感謝がない

業務に精励し、一定の成果を出すことができた場合、社長は自信を持ちます。自信が前向きに作用するならよいのですが、人によっては謙虚さを忘れてしまい、態度が横柄になってしまうことがあります。

「成功している自分こそ正義」という思い込みが、社長の心の中に生まれ始めると、言動が近視眼的になります。すると、これまでは感謝の気持ちを口にしていた取引先に対して、次第に不満や愚痴をストレートに伝えるようになります。

社員が社長に心酔している場合、その影響を受けて社員までも横柄になっていきます。こうなってしまうと、これまでお世話になっていた取引先も次第に離れてしまうので、先々に経営が頓挫するリスクは高まります。

数字に対する意識が低い

経営において、数字を正しく見ることはとても大切ですが、社長の意識によってはそれを怠っている場合があります。具体的には、以下のようなケースが当てはまります。

  • 節税の意識を持たずに浪費を繰り返す
  • 専任の経理担当者がおらず、どんぶり勘定になっている
  • 売上高や粗利は気にするが、それ以外の数字を把握しようとしない

会社の実績や問題点は、数字から紐解くことができます。
しかし、数字を読めない・読まない経営者は、そもそも経営上の問題に気付くことができません。

また、自社の数字を社員に公表しないスタンスの社長も、社員の信用を失わせます。
自社が本当に成長しているのかどうか、社員の目で把握できないからです。

ブラック企業の傾向が見られる

自社の雰囲気が悪い、あるいは社長が雰囲気を悪くしていて、その状態を会社として良好と判断している場合、きわめて状況は深刻です。

2022年6月からパワハラ防止法が施行されている状況で、社員が上司または経営者のパワハラを訴えた場合、企業名が公表されるおそれがあります。

その他にも、社員の存在を軽視していたり、昇給を渋ったり、社長の贅沢が過ぎるような場合は、社員の離職が一気に加速する可能性があります。

こうなってしまうと、周囲からの評価もどんどん下がる一方ですから、近い将来会社が傾いてしまう状況は避けられません。

社長として働くことが限界であるケース

経営における意欲・体力・気力などが十分でなく、もはや社長として働けない人が経営に携わっている状況は、企業の末期状態と言えます。

以下に、能力の限界を迎えている社長の特徴をご紹介します。

赤字を立て直す意識がない

企業が経営を続ける中で赤字に遭遇すること自体は、決して珍しいことではありません。ただ、多くの場合は赤字体質から抜け出すため、現状を分析して問題を解決するための方策を検討し、速やかに回復を目指します。

しかし、感情論・人情論に振り回されることが多い社長は、残念ながら本質をとらえた具体策を講じることができません。あるいは、薄々本質には気付いていながら、具体的な行動に移す勇気がないことも考えられます。

経営課題に取り組んでいない

打開策に取り組む場合、経営者は率先垂範して行動で示すことが求められます。
役員・幹部に課題解決を任せても、自社のことをもっともよく理解しているのは社長のはずですから、失敗する公算が高くなります。

これまでの商品・顧客に依存するような経営を続けていると、衰退が見込まれる事業は勇気を持って撤退するなど、新しい決断がなかなかできません。変化をかたくなに拒否する経営者の船は、やがて沈むことでしょう。

資金を得る手段を持っていない

企業が窮地に陥った際、誰が・どこまで手を差し伸べてくれるかは、企業がこれまで築いてきた信頼関係に左右されます。

金融機関や取引先との信頼関係が十分に築けているなら、運転資金を融通することもできるはずですが、すでに信頼が失われているなら大問題です。

顧客や取引先からの信頼を失っている場合、事業計画の説得力も弱くなりますから、当然ながら金融機関もお金を貸し渋ります。社員に給料が支払えない状況が訪れれば、社員も自社を離れ、やがて社長には誰も力を貸してくれなくなるでしょう。

違法行為をしている

社長が重大な違法行為を行っていて、それが常態化していると、社員の内部告発・取引先の公益通報等により、悪事が表面化するリスクがあります。経営者が犯した不祥事は、一度世間に広まってしまうと、取り返しのつかない事態にまで発展します。

かつて北海道苫小牧市に本社があった食品加工卸売会社・ミートホープは、高度な肉加工の技術を悪用し、食品偽装事件を起こしました。

その結果、従業員は全員解雇・会社は自己破産・経営者は懲役刑という、最悪の結末を迎えています。

おわりに

以上、会社経営に失敗する社長の特徴についてご紹介してきました。

社長や周囲の努力次第で状況を改善できるケースもあれば、そもそも当人が社長を続けられる状況にないケースも考えられるため、解決策は会社によって変わってくるでしょう。

先にあげた条件に該当する経営者の方、あるいは経営者のもとで働く社員の方は、早期に問題を特定し、解決に向けた行動を起こすことをおすすめします。

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