【次世代幹部の育成事例】社長のやり方に反発する№2をどうするか?

№2との和解

こんにちは、ファーストステップ株式会社コンサルタントの鈴木進一です。

先日、社長の右腕の育成に成功した事例を紹介させていただきました。

しかし、残念ながら前回のようにスムーズに進む事例ばかりではありません。

今日は愛憎溢れる師弟関係に終止符を打つために当社が行ったことをご紹介します。

可愛い愛弟子が、いつしか憎たらしい存在に…

P社の社長は、若い頃にはスポーツインストラクターの仕事を行っていた、とても爽やかな方でした。

そして、そのインストラクター時代の教え子X氏が就職先を探しているとのことで、喜んで迎え入れることに。

Xを社長の右腕として育てようと、手塩にかけてなにかと可愛がっていたものの、そんな可愛かった教え子も気づけば40歳を超え。勤続年数も長くなり、給料も月40万円を超えていた。

可愛かったはずの教え子は、営業部のリーダーとして9人の部下を持ち、いつしか社長のやり方に反発をするように…。

「可愛さ余って憎さ百倍」とはよく言ったもので、いったん憎いと思ってしまえば社長のその思いは留められず。社長とかつての教え子だった社員Xとの心の溝はどんどん深まっていったのです。

そして、「アイツをなんとか辞めさせる方法はないものか…?」と私のところに相談があったのです。

辞めさせることはたやすくない

実はこういった相談は結構よくあるのですが、いったん雇い入れた人間を辞めさせるのは、実はなかなか難しいことです。

たとえ社長が1人で会社を興してここまで切り盛りしてきた、今の会社があるのは社長のおかげだとしても、もう社長1人の会社ではないことにご注意ください。

いくら幹部役員との折り合いが悪いとはいえ、社長の意思だけで退職に追い込むことはできません。

この方の場合、月40万円ほどの給料を貰っている営業部長であり、勤続年数も25年以上経っていたため、退職してもらうのならば、社長としても退職金として1千万円以上用意するほどの心づもりが必要です。上手くやらなければ不当解雇として訴えられるリスクもあります。

さらに分が悪いことに、元教え子Xの社内での評判は上々

社員同士

さらにヒアリングを行った結果見えてきたのは、Xの人柄の良さでした。

社長からすると、給料に見合う働きをしない。サボって怠けてばかりいるように感じていましたが、営業部の部下9名からは、Xはとても慕われていました。

そして、事実として新たな取引先を開拓し、営業としての結果もそれなりには残していました。

社長は製造畑の人間、Xは営業畑の人間としてそもそもの考え方に違いがあり、Xは自分がいくら頑張ってもまるで子ども扱いするかのように実力を認めてくれない社長に苛立っていました。

この場合、Xを無理やり退職に追い込めば、部下を連れて退職する可能性があります。社員80名の会社でしたから、下手すれば社員10名以上を連れて辞めるということも大いにありえます。

内紛による会社の分裂は、なんとしても避けなくてはなりません。特に営業のリーダーが辞める場合は、顧客をも連れて行ってしまう可能性があるため、とても厄介です。

私は、No.2に反旗を翻された結果、衰退してしまった会社を今まで幾度となく見てきました。だから、No.2の処遇はとてもデリケートな問題です。

こじれた関係をなんとかするための誓約書

コンサルタントである私が、X氏にさりげなく転職を勧めるなど、なんとか穏便に掛け合いましたが、当然Xからは抵抗感を露わにされました。

そして、社長と直接話すということで、ますますこじれそうな勢いに…。

なんとかX氏を辞めさせようとした社長がいきなり、X氏に給料2割ダウンを打診すると、「その代わり、この数字が出来たら給料を上げてくれ」とX氏も負けてはいません。

このまま社長とNo.2の関係はこじれてしまうのか…。このまま会社経営を続けることは、マイナスでしかありません。

さて、こんな時どうすればいいと思いますか?

私たちは、まず事の発端について、お互いの思いをじっくりヒアリングして掘り下げました。

そして分かったのは、社長とX氏がどうしても許せないこと…それは、「お互いが実力を認めていない」ということでした。

社長の思いとしては、こんなところです。

X氏はまだまだひよっこ。自らが考案した商品サービスが良いから売れるだけで、それは営業部長Xの功績ではない。半人前なのに社長である自分に逆らうなんて、言語道断だ。

一方X氏にとっては、入社時の社長は確かに大きな存在だった。しかし、今の思いはこうだ。

たしかに社長にはずっと世話になってきた。だけど、25年も仕えてきて、社長の一番近くで汗水流して営業先を開拓してきたのは他でもない自分だ。今の会社があるのは、自分の働きによるものも多分にあるはずだ。それなのに、社長はちっとも自分の実力を認めてくれない。社長だって所詮は人だし、金策に走ったり、まだまだ会社として弱い部分だらけなのに、なに威張り腐ってるんだ…

会社のトップとNo.2の関係性が悪いままにしていて、上手くいった会社を今まで見たことがありません。表面上はなんとか上手くいっているように見えても、すぐにほころびが出ます。

そこで、私は2人に誓約書を交わすことを勧めました。

そして、和解。誓約書の内容とは―?

誓約書

今回のケースでは、社長とX氏両名で、誓約書を交わすことにしました。

その内容とは、社長はX氏を社内No.2として扱うこと。具体的には会社の機密情報などを共有しながら、Xに経営に関わる役目など、もっと重要な任務にも携わらせること。

当初社長は、Xは「働かない」、「できない」と言っていたのですが、実は社長のXの登用の仕方自体にも問題があったのです。

ですから、社内的にも対外的にも社内No.2はX氏であることを認め、任せることで給料に見合った働きをしてもらうようにしたのです。この結果、減給などの処置はなく、今まで通りの給料で今まで以上に会社のために働いてもらうことにしたというわけです。

対するXは、社長のプライベートのことや資金状況など、Xだけが知り得た情報に関する守秘義務を守り、社長の右腕として貢献していくということを誓ってもらいました。

社長はNo.2を認め、No.2は社長を認め、お互いのポジションに合った仕事を果たす。

一見すると当たり前のようなことですが、一度こじれてしまった手前、きちんと言葉にして誓約書として残すことで、曖昧さをなくしました。

問題の本質を追求する

社長とNo.2との問題でよくあるのは、表面上は「給料が安すぎる・高すぎる」とか、「給料やポジションに見合う働きをしない」といった揉め事のように見えても、実際は承認欲求とか、プライドの問題だったりすることがよくあります。

これは社員教育全体についても言えることですが、その人を認め、任せることで思わぬ人物が期待以上の活躍をすることだってあります。

決めつけをしたり、壁を作るのではなく、広い視野であれこれ試してみるのもいいかもしれません。

また、社長は完璧である必要はありません。

特に、No.2に対してはさらけ出すことで、もっと助けてもらえるようにしましょう。

変にカッコつけてしまい、その結果ワンマンになったり、自分1人で問題を抱えてしまう社長が多いように感じます。

人間関係の好き嫌い、得手不得手、時には男女関係の問題、金銭面でのトラブルなどに見舞われることもあるかもしれません。

そんな時、つい虚勢を張りたくなる気持ちも分かりますが、理解者を傍に置いておくことでトラブルの対処ができるようになります。

自分の右腕が欲しいと思ったら、まずは彼を自分の右腕だと自覚する…というところからスタートしてみても良いのではないでしょうか。きっと何かが変わってくるはずです。

 

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